ガウスの補題についてのメモ(1): 補題の証明
これをどうやって証明するか以前に、どうして唐突に「より大きいものの個数」なんてものが出てきたのかという疑問が浮かぶ。
これはフェルマーの小定理の乗法的証明と比較するといくらか理解しやすい。
を考えると、これらは全て異なっている。
ユークリッドの互除法を用いると
のそれぞれにをかけると
となる。明らかにこれらは全て異なる値になる。なので、もしも
の中に等しいものがあったとすると、それぞれにをかけた
の中にも等しいものがあることになって矛盾してしまう。よって
は全て異なる。
したがって
と
は要素が一致しているので、それぞれの要素を全てかけあわせれば
となる。
ユークリッドの互除法から となる
(つまり (p-1)!の逆元)の存在が言えるので、この
を両辺にかければ
となる。(証明終わり)
まずルジャンドル記号には「オイラーの基準」と呼ばれる次の性質がある。
これとフェルマーの小定理
の形の類似を見ると、フェルマーの小定理の証明と似た議論をすると何か得られるのではという(後知恵の)見込みが立つ。
以下
を
のふたつに分けて、各要素にをかけると
という集合が得られる。これらのn-1個の要素は全て異なっている。
次に
の各要素 のうち
より大きいものがあれば、その要素をもうひとつの集合に含まれている
と入れ替える。
ここでという記号を導入して、
が
より大きいときは
、そうでないときは
となる
を表すことにすれば、置き換えの結果
という集合が得られることになる。
得られた集合のうち、
は各要素がどれもより小さくてかつ互いに異なっているので、集合として
と一致する。同じ要素からなっているので、各集合で要素をかけあわせると同じ数になる。
よって要素をそれぞれかけ合わせると
となる。
の中でより大きいものの個数を
とすると、
なので
となり、 の逆元を両辺にかけて
の部分を消すと
となる。よって
が得られる。オイラーの基準
と合わせれば
となる。(証明終わり)