2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

高瀬正仁『無限解析のはじまり』

高校の数学の問題に対数が出てくるときは、と変数部分にやたらと絶対値の記号がついていた印象がある。負の数についての対数の値を定義していないことへの対処だろうけど、それなら「xが負のときは」と最初から定義しておけばいいのに、と当時思った。 (一応…

素数に関するいくつかのこと

1と素数 もちろん1は素数ではない。でも1が素数でないということは、素数の定義から自然に導かれるという感じでもない。1が素数では都合が悪いから、それに合わせて素数の定義の方を決めたように見える。 例えば次のセリフ。

『それでも町は廻っている』の13話14話のサブタイトルが「それでも町は廻っている」なのは何故か

石黒正数『それでも町は廻っている』の2巻を読んだとき、どうして13話14話のサブタイトルが「それでも町は廻っている」なのかと不思議に感じた。 第2巻に収録されている話は次のとおり。

法月綸太郎『生首に聞いてみろ』と「複雑な殺人芸術」

豊崎由美の書評は内容の妥当性と関係なく読むとたいてい不快な気分になる。そういう芸風なのかもしれないけど合わない。とくに、法月綸太郎『生首に聞いてみろ』に対するほとんど同じような内容の書評を続けて三つぐらい見たときは、すごく嫌な気持ちになっ…

法月綸太郎『密閉教室』に出ていた英文

ふと、法月綸太郎の『密閉教室』の中で主人公が割と唐突に引用する英文がどういう意味なのか未だにわからないままだったことを思い出した。 「111 卑しい街を」の最後のところ。 例の文句を思い出して、引き下がるつもりなどないことを証明してみろ。 「バッ…

谷川流『学校を出よう!』5巻・6巻への竹本健治『ウロボロスの偽書』の影響など

学校を出よう!〈5〉NOT DEAD OR NOT ALIVE (電撃文庫)作者: 谷川流,蒼魚真青出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2004/09/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (88件) を見る学校を出よう! (6) VAMPIRE SYNDROME 電撃文庫 (…

ウラジーミル・ナボコフ『青白い炎』についてのメモ: レムニスケートのこと

レムニスケートなんて一般的に知られているような単語ではないけれど、ナボコフの『青白い炎』に登場する。ただ翻訳では「レムニスケート」とは出てこない上にその部分の意味がわからなくなっているので、そのことのメモ。