タイトルの惹句に「大学生・古典愛好家へ贈る」とあるように、同著者の『実例詳解古典文法総覧』をベースに分量を絞って学習参考書的な内容にしたという趣きの本。『実例詳解古典文法総覧』が700ページを超えるのに対して、本書は250ページほど。
『実例詳解古典文法総覧』では引用している実例に対して訳が基本的に付いてなかったのに対して、本書では例題で引かれた文についてはほぼ全てに訳が付いている。(ただし例題以外でも多くの実例が挙げられているけど、それに対してはほとんどの文に訳は無い)。
大量の実例があげてあり、興味を誘うようなものも多く含まれているのも『実例詳解古典文法総覧』と同様。特に次の問題が面白いと思った。
続きを読む次の和歌に句読点を打ちなさい。
① 川水に鹿のしがらみかけてけり浮きて流れぬ秋萩の花 (匡房集)
② 岸近み鹿のしがらみかくればや浮きて流れぬ秋萩の花 (匡房集)
(『読解のための古典文法教室』p.186)