ガウスの種の理論

「群の表現論の初期の歴史について」を書くつもりが、出だしの部分が肥大化した。

  1. 問題の背景
  2. 2次形式の指標
  3. 指標が定義できることの証明
  4. 2次形式の同値類
  5. 類に対する指標
  6. 種の性質
  7. 2次形式の合成
  8. 種の性質の証明
  9. 2次形式がどの数を表せるかの判定
  10. 参考文献
  11. 追記: 類体論の証明との比較
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プログラミングにおけるモナドの初期の歴史について

  • P. Wadler "How to Replace Failure by a List of Successes" (1985)
  • E. Moggi "Computational Lambda-Calculus and Monads" (1988)
  • M. Spivey "A Functional Theory of Exceptions" (1990)
  • E. Moggi "Notions of Computation and Monads" (1991)
  • P. Wadler "The Essence of Functional Programming" (1992)
  • S. Peyton Jones、P. Wadler "Imperative Functional Programming" (1993)

あたりのこと。

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ガウスの補題についてのメモ(2): 4次剰余の場合

補題の比較

平方剰余の場合

ガウス補題:
apで割り切れない数とし、\left(\frac{a}{p}\right)ルジャンドル記号とする。
a,2a,3a,\ldots,\frac{p-1}{2}a素数pで割った余りのうち\frac{n}{2}より大きいものの個数をl個とすると
\left(\frac{a}{p}\right) = (-1)^l
となる。

4次剰余の場合
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ガウスの補題についてのメモ(1): 補題の証明

平方剰余についてのガウス補題は次のようなもの。

apで割り切れない数とし、\left(\frac{a}{p}\right)ルジャンドル記号とする。
a,2a,3a,\ldots,\frac{p-1}{2}a素数pで割った余りのうち\frac{n}{2}より大きいものの個数をl個とすると
\left(\frac{a}{p}\right) = (-1)^l
これをどうやって証明するか以前に、どうして唐突に「\frac{n}{2}より大きいものの個数」なんてものが出てきたのかという疑問が浮かぶ。

これはフェルマーの小定理の乗法的証明と比較するといくらか理解しやすい。

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Lispの壁の高さ

文學界』10月号に載っている円城塔「プロローグ」第6回で少しだけLispSchemeGaucheについての話題になっていた。小説でGaucheへの言及があるのは他は木本雅彦『くあっどぴゅあ』だけだろうか。
Lispの処理系を入れたが、対話環境を触っても釈然とせず、エディタとしてEmacsを使うことにして……みたいな流れ。

このあたりまででもう、LISPに興味を持ったかも知れない人の九割九分を振り落とすだろう壁の高さだ。

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